1:志望理由書の構成
「志望理由書」とは入学を志望する理由をまとめた書類です。学校側は志望理由書から学生の入学意欲や目的意識、適性や人柄を書類で判断します。面接試験では志望理由書の内容から質問をすることが多いため、評価を決めるための重要な書類となります。
また、志望校へ自分のことをアピールする最初のチャンスでもあります。「なぜその学校に入りたいのか」「学校を選んだ理由は何か」「何を学びたいのか」など正しい日本語で熱意とやる気を、自分の言葉で伝えることが大切です。
では、「志望理由書」を書く時の大事なポイントと基本構成を確認しましょう。
- ①自分のこと
- 自己紹介、今までの留学生活を通して学んだことや成長できたことなど経験や実績
- ②学びたいこと
- 勉強したい分野や専攻について、なぜ興味を持って、どんな勉強したいか
- ③志望校のこと
- 志望校の特徴、特色、学び、アドミッションポリシーを理解した上で、なぜこの学校・学部学科コースを選んだのかの理由を明確にする
- ④入学後の学校生活
- 入学後に学びたいことや経験したいこと、どのような学校生活を送りたいか、どのように成長をしたいと考えているのかイメージする
- ⑤将来の夢
- 将来(卒業後)の就きたい仕事と進学先のつながりを考えて、志望校で学んだことをどのよう生かして、具体的にどうなりたいかを考える
2:日本語の表現の注意点
- ①文末の表現を「だ・である」、「です・ます」のどちらかにそろえて書きましょう。
- ②同じ表現はくり返し使わないようにしましょう。
- 文章を終えるときに、「〜と思う」「〜と考える」という表現をよく使いますが、同じ表現を続けて何度も使わないようにしましょう。 同じリズムの文が続くと、単調になって文章の魅力がなくなってしまいます。
-
例文:
NG:
私は経営者になりたいと思っています。
そのために日本の社会で活躍するための実践的な知識を身につけたいと思っています。貴学で学ぶことができる企業やビジネス事例に通じる経営知識や経営者を招いての授業は実践的な知識を身につける良い機会だと思っています。OK:
私は経営者になりたいと思っています。
貴学を志望した理由は日本の社会で活躍するための実践的な知識を身につけたいと考えたためです。貴学で学ぶことができる企業やビジネス事例に通じる経営知識や経営者を招いての授業は実践的な知識を身につける良い機会だと思います。 - ③話し言葉、ら抜き言葉、誤字、脱字に注意しましょう。
分類 誤り(例) 正しい表現 1人称 自分 私(男女問わず) 略語 高校 高等学校 ら抜き言葉 食べれる 食べられる 不要なカタカナ語 モノ もの/物/者 話し言葉 ちょっと 少し 敬称 御校・御学 貴学(大学)貴校(専門学校)
3:志望理由書の例文
経済学部の志望理由書の例文
『私はグローバルな視点を持ちながら、経済を深く学ぶことができるという理由から◯◯大学経済学部を志望します。私は日本に留学をしたことで、国の文化によって、経済の考え方が違うことを実感しました。さらに、昨今のニュースで取り上げられている GDPや国際競争力低下などの観点から、私はグローバルな視点で経済を見る力が、今後の日本企業の人材に必要であると考えるようになりました。
そして、◯◯大学経済学部では積極的な留学生受け入れ、学外での実務体験ができるインターンシップ制度、英語のネイティブスピーカー教員による授業といった即戦力となるビジネスパーソンを育成するという独自の取り組みに強く関心を持ちました。ぜひ、国際的な交流を通じた経済的な知識とグローバルに活躍できる力を身につけるために◯◯大学経済学部を志望します。』
ポイント:
- 必ず日本語学校の先生に日本語の確認をしてもらいましょう。
- 指定された文字数(用紙)の90%以上は書きましょう。
- はじめて読む人にも内容が理解できるように伝わる文章を書きましょう。
- 自分が書いた内容を理解し、面接で聞かれても、答えられるようにしておきましょう。